キリングフィールド
*凄く生々しい記事なので気分を害す方はご遠慮ください。トゥールスレン博物館編の続編です。
キリングフィールド。それは前回の記事で書いた博物館と同じくらい悲しい場所。
"国の発展のために知識人が必要だ!協力してほしい!"と言って知識人をおびきだしたポルポト政権。何も知らない罪のない人たちは、この場所に連れてこられ惨殺された。その時に殺された人たちの遺体が捨てられた場所。
沢山の穴から大量の人骨が見つかり、その悲惨さを思い知る。そして今もなお、掘り出せていない多くの骨が残っているため雨が降ると骨や衣服が地表に現れることも。
これは"キリングツリー"。
生まれたばかりの赤ん坊を母親から取り上げ、母親の目の前でこの木に叩きつけて殺した。そのことからこの名前が付けられた。
悲劇から数年経ち、この場所を発見した第一発見者は
"この木には髪の毛、血、脳みそが沢山こびりついていて恐ろしい光景だった"
"すぐ近くの土の中から女性や赤ん坊の死体が数えきれないほどでてきた"
とも証言している。
この木の上側の黒い部分。写真では伝わりにくいがここはギザギザになっていて刃物のよう。その鋭利さから元々は鶏を殺す際に使っていたもの。しかし虐殺時代には、ここに連れてこられた人間の喉を切り裂くために使われたそう。
これは"マジックツリー"。この木の根元で音楽を流し、拷問される人間の叫び声が近くの住民に聞こえないようにカモフラージュしたことからこの名が付けられた。
そしてこのキリングフィールドの中心にはここで見つかった沢山の人骨が並べられている。
ぞっとするほどの光景。
写真には全て写り込まないほどの人骨。これが360度17段分ある。
私は1年この地で過ごして来てカンボジアのことは一通りわかっていた気になっていたけれど、私はこの国について何も知らなかったと感じた。
本来ならばともに手を取り合い、助け合わなければならない人間が同じ種である”人間”を殺す。それがいかに恐ろしいことか、どんなに醜いことかを思い知った日。
これはカンボジアのみならずどこでも言えること。戦争やこのような過去を乗り越えてもなお、ニュースでは知り合いを殺めたり・痴話げんかや金銭トラブルの末に殺害などが取り上げられる。
そんなことを思いながらキリングフィールドを去った。
すごく虚しさが残った。